2017年02月14日

父の思い出・・・

月夜

一月に父の一周忌をすませました。

寡黙で真面目だった父・・
半農半漁だった我が家は
けっして裕福ではなかった。

父は毎朝のように海へ行き
仕掛けておいた網にかかった魚を獲ってきた
朝の食事には新鮮な近海魚が並んでいた

父の思い出・・・


私が幼いころ父は
本土に出稼ぎに行っていた
物心ついた頃に帰ってきた父は色が白くあか抜けていて
なんだか照れくさくて
母の背に隠れて
おいでと呼ぶ父の懐に飛び込むことができなかった

馬車の手綱を引く父の横で畑に向かった
轍(わだち)のついた砂利道を馬車はゆっくり進んだ
馬の蹄の音が心地よくて居眠りをしていた

はじめて馬の背に乗せてくれた日の事を忘れていない
家の近所を馬の背に乗って
手綱を引く父は馬の横に並んで歩いていた

時化の日に父は
網の手入れをしていた
破れた網を直す手際はまるで手品のように見えた



父を思い出すと
ふと側にいるような気がする・・・




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この記事へのコメント
ご家族の話、久しぶりですね・・・
お父さんのご冥福祈らせてもらいます。
にかちゃんの、ポエム・子供の頃の話好きです。
Posted by kumiko at 2017年02月15日 00:00
 
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