2017年06月17日

生き方を考える・・・

高校を卒業した私は千葉にある
福祉の専門学校に進学しました。
実家は貧しく進学にかかる学費や
生活費を捻出することは困難でした。
両親に負担をかけたくない思いから、
私は高校へ通いながらアルバイトをして貯金をしました。
せめて入学金だけでもと両親は借金をして、
千葉に送り出してくれました。
千葉に着くと直ぐに居酒屋で働きました。
賄い食があることと調理師になりたかったという、
もう1つの夢を叶えるためでした。


学費を貯めながらの生活は苦しく、
安アパートでの食事はキャベツをかじり、
正にかぐや姫の「赤ちょうちん」の世界でした。
給料日前のある日、姉に手紙を書きました。
2歳離れた姉も愛知で同じように就職進学をして
美容師になっていました。
「金が無くて、少しでいいから貸してくれ」
との私の便りに
姉は「ガンバレの文字と五千円札」の返事をくれました。
今日6月17日は姉の誕生日です。



生き方を考える・・・
(近所のサトウキビ畑・・最近は砂利道もなくなりつつありますね)


沖縄では梅雨を「しゅうまんぼうしゅう(小満芒種)」と呼びます。
二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、
「麦の穂が実り少し満ちてきた」という意味や
「陽気が良くなり万物が次第に成長し満ちる」
という意味があるそうです。

植木や盆栽が好きな私は
小満芒種(梅雨)の時期が大好きです。
鉢物を植替えたり挿し木などに適しています。
特に盆栽などは鉢の中で
根がグルグル回り鉢内密度が増します。
そうなると根は水分や養分を摂るどころか、
窒息状態となり木は弱ってしまうのです。

生き方を考える・・・
(ミニ盆栽・直径5㎝のガジュマルは推定樹齢17歳を過ぎています。)



木を鉢から抜き出し伸び放題の根をほぐし短く切り詰めます。
そしてキレイに洗った鉢には
空気や水の通りがしやすい粒々の土を
入れ替えて木を戻してあげるのです。
息を吹き返した木はひと月もしないうちに
新芽を出して「生き返ったよ」と喜んでくれるのです。

土は栄養の源です。
植物は土に含まれる養分を吸って成長します。
その中でも窒素、リン、カリウムは
三大栄養素と呼ばれています。
畑でも植木鉢でも、長く放置すると土は養分を失います。
ですから定期的に土をほぐし
養分を補給してあげると植物は良く育つのです。

すみれ
(スミレは花壇に植えると肥大化します)


(土いじりを素手で行うと元気になるのは
土の養分を頂いているからだと
私は信じています)


一方で養分を失った土は
粒子が細かくなり固く締まっていきます。
水の通りも悪くなり植物は
いよいよ弱って行くのです。
そんな土を雑草と呼ばれる植物は好みます。
雑草は根強く簡単には
根を吐きませんし踏まれても頑張ります。

生き方を考える・・・
(我が家に咲く提灯ふっそうげはハイビスカスの仲間です。)



コンクリートを突き破って生えてくる奴だっています。
彼らはどんな境遇でも決して弱音を吐かず、
荒地の中でもじっと時期を待ってるのです。
小満芒種で一雨降ると
彼らは勢いよく芽を出してきます。
梅雨明けに夏草が茂るのはそのためです。

植物の観察が好きだった少年は、
ある日何気なく道端の雑草を抜き、
庭の片隅の小さな畑に植えてみました。
雑草は瞬く間に成長し
道端のそれとは違う植物かと
見間違えるほどの変貌を遂げました。
少年は雑草の生きる力強さと
育つ場所によって成長の仕方が
大きく違うことを学びました。
野菜は荒地では育たないのです。

生き方を考える・・・
(こぼれ種から発芽した菜葉・・我が家の庭の片隅)


漁師だった父は素潜りの名人でした。
1回の潜水で軽く3分は上がってきませんでした。
父は私に追い込み漁を教えてくれました。
潮を飲み死にそうになりながら
潜る父の背を追いかけていました。

時々振り返った父に何度も海面まで引き上げられました。
1度の漁は2〜3時間、身体はクタクタでした。
浜に上がって父は黙々と魚を捌いていました。
無口な父は自分の姿を見せることで私に
生きる術や人生の厳しさを教えていたのだと思います。

インギャー入り江 なびふた
(インギャーの入り江は我が家を支えた食材の供給源でした)


ある夜少年は
ガラス戸にとまる蛾を狙うヤモリの腹を見ていました。
ヤモリの動きは素早く
蛾を瞬時に捉え呑み込んでいました。
少年は蛾とヤモリを生け捕りにしました。
チリ紙を広げ、それぞれを丁寧に包みました。
翌日2つの包みは牛乳瓶に入れられ、
布切れで頑丈に封をされ、
庭の片隅に埋められました。
数ヶ月後ヤモリはミイラとなり、
蛾は土に還っていました。


生き方を考える・・・
(ナナフシは子供たちのおもちゃでした)


大人になった宮古島の
少年は五十を手前に考えに耽っています。
これからどう歩き、
何処へ向かうのかを考えています。
すると少年は彼に教えるのです。

人は自然の営みの中でこそ生き、生かされている

人は草木や風の声を聴き
潮の香りや雨の匂いを感じ
生かされていることを
想いして歩くことで
その歩幅は違っていく


生き方を考える・・・
(石垣は風雨にさらされながら苔むしていく)


人はいろんな生き方を
選ぶことができます。
街でアクティブに生きたり
田舎でゆっくり暮らしたり

そんな人たちが
自分の人生について
語り合える空間を
作りたいと考えています。


生き方を考える・・・
(我が家のアセロラの実)





にかちゃんの好きな言の葉 あ・い・う・え・お

【雑草:ざっそう】

辞書では
「雑草(ざっそう)とは、人間の生活範囲に
人間の意図にかかわらず
自然に繁殖する植物のことである。」

「転じて、重視されないがたくましい存在、
悪く言えばしぶとい存在として、
比喩に用いられる。」

とあります。
道端の雑草でも植木鉢に移してやると
きれいな花を咲かせたりしますね。
最近宮古島では雑草を薬草として
活用しています。




さて次回は
私のビジョンについて語りたいと思います。






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Posted by にかちゃん at 06:28│Comments(0)LOHASU
 
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