2010年09月29日

秋の日の少年・・・

僕の実家は、海辺の小さな集落。

秋の日の少年・・・

潮騒がいつも聴こえていた。

少年の頃の秋の日の記憶は、

オレンジ色の空の記憶と空高く渡る鷹の群れ。


僕はいつも、弟の手を引いていた。

秋の日の夕方は決まって、浜に行った。

浜のそばにある、芋畑にこっそり入り・・・

僕と弟は、芋を数本・拝借。

畑のおじーに見つかれば、大事だ。

ドキドキしながら、芋を小脇に抱えて・・

浜に走った。

取ってきた芋の泥を、海水で丁寧に洗う。

流木を集めて、火をおこす。

秋の日の少年・・・

弟と火を眺めて・・芋をくべた。

陽は西に傾き、僕らのほほは、夕焼けと焚き火で真っ赤に染まった。



焦げたススで、真っ黒になりながら、焼き芋をほおばった。

芋は格別の味だった。

辺りが薄暗くなり・・・

焚き火は、パチパチとはじけ

火の粉が舞い上がり・・星になった。

僕らは、暗くなった砂利道を・・・

星を数えながら、手をつないで家に向かった。

秋の日の忘れられない、少年の記憶・・・・・。



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この記事へのコメント
にかちゃんさん

こんばんは。

この話を拝読していましたら、その時の光景が
描写された様に浮かんできますね。(笑)

今のお子さんたちには
余り経験のないことだと思いますが…

にかちゃんさんも、私からみれはお若いですけど、私たちの年代の人は
皆さん似たような思い出を持っていると思います。
だからこそ光景が浮かんだのでしょうね!(笑)
Posted by yukuru mama at 2010年09月30日 00:49
ハイサイ!おはようございます。
明日から10月ですね~・・・

小学生の頃 人の屋敷から同級生と一緒に まだ熟してないブドウを
拝借・・・すぐに見つかり 捕まれて こっぴどく叱られた事を思い出しました!(笑)

辛い事もあるけど・・・楽しく生きましょう!
Posted by ケントミケントミ at 2010年09月30日 09:30
にかちゃん様

自然の中での原体験。
薄暗くなって行く家までの道を、親に怒られるとドキドキしながら、帰っていった記憶が私も・・・

だから、昔の子供は時間や季節での自然の変化に敏感になるのかな。
(母とおばあによく怒られていたなー。笑)
ゲーム世代の現代っ子は、大人になった時、どんな風景を思い出すのかなと、ふと寂しくなりました。

五感で味わう経験が、感性や感情豊かになるんでしょうね。
Posted by OrtensiaOrtensia at 2010年09月30日 09:44
にかちゃん♪

弟さんと手つないで、秋の季節いい思い出ですね~♪

想像したら、少年2人かわいいよ~♪

『火の粉が舞い上がり・・星になった』・・・

メルヘンだわ!ロマンチック!ステキな詩です♥

テンプレートも、すっかり秋でいい感じですね~♪
Posted by なんくるないんどなんくるないんど at 2010年09月30日 19:52
yukuru mama さん。。コメントありがとうございます。
現在の子供たちはテレビゲームやゲームボーイが
遊び相手ですよね。
先々が心配ですよね~。。
yukuru mama さん、光景が浮かんだのであれば・・幸いです。

ケントミさん。。コメントありがとうございます。
子供の頃の〇〇泥棒体験。。いいですよね。
僕もいろいろ、ご近所から黙って頂きました。
柿、バンシルー、桃・・・・。怖いおじ~。。
いい思い出ですね~。。。

Ortensiaさん。。コメントありがとうございます。
最近、気になるので・・・
我が娘たちには、車の窓から見える
キビ畑や水平線や雲の形、夕焼け、
虹、砂利道、道端の苔・・・・・などなど
『ほらっ!!見てみて!!』と、意識して見せたり。
時間を作って浜辺に連れて行ったり・・・・。
なるべく自然の物を見せるようにしているつもりです。

なんくるないんどさん。。 コメントありがとうございます。
またまた、褒め上手なんくるさん。。
そんなに褒めても・・何も出ませんよ~。。いひ~っ!!
火の粉の表現・・いいでしょ。だはっ!!
Posted by にかちゃんにかちゃん at 2010年10月01日 00:30
 
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